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『ハルフウェイ』 [2009/02]

実現しそうにない計画がある。
息子たちが18歳になったら上京させて一人暮らしをさせる、
という計画。
そのためには、
息子が中学か高校に入った頃にどっか遠くに引っ越して、
どっかの地方に住まなければならない。
でないと、息子たちは上京できないのだ。
sunaabi.jpg
親としては地方で暮らしてやりたいのだが、
俺個人としてはとりあえず東京で暮らしていたい。
仕事も東京のほうが具合がいいし。
友達はほとんど東京にいるし。

間をとって、
子供には仙台とか福岡とか札幌とかの地方都市に行ってもらって
一人暮らしをしてもらう、
という案もあるのだが、やはり
“上京”というのは捨てがたいものがある。

打ち合わせの途中、2時間くらい間が開いたので、
新宿で映画でも観よっかな。
とりあえず映画館の前まで行って考える。

『マンマ・ミーア!』のタイムテーブルがちょうどよかったのだけれど、
エレベーターを待ってるとき、
元気ハツラツで化粧の濃いおばさん5人組が
『マンマ・ミーア!』を観ようと大はしゃぎしていたので、
尻込みしてやめる。

近くの別の映画館では、
『おくりびと』がアカデミー外国語映画賞を取ったことを
館内放送で盛んに叫んでいて、
予告が始まったところだったのだが、
観てると打ち合わせに遅れちゃうのでやめる。

上映時間85分。
これならぴったりじゃん。
ということで内容も確かめないで観たのが『ハルフウェイ』。
予告が始まったところ、ほぼ満席。

ああ、そうか、これか。
“キットカット”ムービー。
CMでもやってる北乃きいと岡田将生の受験シーズン青春恋物語。

最初、
えー、岡田将生クンみたいなカワイイ男の子が
北乃きいを好きになるかよおいおいおい~!?
なーんて思いながら観ていたんだけど、
最後には北乃きいが最高に可愛くてしょうがなくなっていた。

TVドラマで有名な脚本家、北川悦吏子の初監督作品。
プロデュースは岩井俊二と小林武史。

おんなじ“キットカット”ムービーの『花とアリス』と
なんとなく比べてしまう。
『花とアリス』は大好きな映画なのだが、
主役の蒼井優と鈴木杏、
ふたりを見る岩井俊二の視線がときどき気になる。
その視線が映像の美しさとかムードとかリズムを作り出していて
それはもちろん映画の面白さ・良さになっているのだが、
鼻につくといえば鼻につく。

今回の『ハルフウェイ』にはそれがない。
だから、なんか物足りないかもしれないが、逆に言えば
邪魔者がいなくって感情移入しやすい。
俺的にはそこんところはプラスになっていたと思う。

物語は、小樽の女子高校生と男子高校生の恋の物語。
高三の秋、
二つの胸くすぐる告白をきっかけにつきあい出したふたりだが、
岡田クン演じるシュンが早稲田大学志望であることを知り、
地元に残る北乃・ヒロがショックを受け、
悩んだり、わがままを言ったり、
でもやっぱり上京したほうがいいと決心したりして、
受験の日を迎えるという話。

東京の大学に入るため、
長野から上京してきた俺にとっては、まあドンピシャな物語。
高三の夏につきあい出した彼女は
東京の私立女子大に行くか、新潟の公立大学に行くか悩んで、
結局、新潟の公立大学に行ったのでした。

「どっちがいいと思う?」
そう相談されたとき、
なんとなく新潟のほうを勧めた気がする。
べつに別れたかったわけじゃないんだけど、
一人で東京に行きたかったのは間違いない。

18歳、というのはそういう時だったのだ。

というような話を飲み屋でしていたら、
東京っ子の若者が
「18歳になったら外国に行かせるという手もありますよ」
と言ってくれた。

なるほどー。
計画の一案に入れておこう。
ま、親の計画なんて関係なくて、
結局は子供自身が決めることなんだけどね。

映画『ハルフウェイ』の終盤、
ヒロのお母さんが登場してくる。
2分くらいのシーンだが、これがいい。
お母さん役の人の笑顔がすばらしい。
子供が18歳になったときに
あんな笑顔ができるのだろうか。


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