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『ロマンポルノと実録やくざ映画--禁じられた70年代日本映画』 [2009/11]

予想していたことだが、長男が泣いた。
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森永チョコボール。
近くの小型スーパーで買ってくれとせがまれたのだが
許さなかった。

その直前、
フットサル教室の受付で100円のクッキーを買って食べた。
それが今日のおやつなので、
チョコボールは食べてはいけない、買えない、
明日まで我慢しなさい!
そう言ったら泣いて怒った。

とにかくまた「銀のエンゼル」「金のエンゼル」を当てたいのだ。
その気持ちはギャンブル好きの俺にはわかりすぎるほどわかるが、
だからといってわがままを許すわけにはいかない。

スーパーを出て、うちのアパートの階段に来ても、
まだ俺をにらみつけている。
階段の上で俺を通さないように立ちふさがっている。

めんどくさいが根負けしたら何にもならないので、
わがままを言うのは悪い人間だと一所懸命に叱っていたら、
長男が泣きながら交換条件を出してきた。

「とうちゃんがひとりで温暖化を止めたら、
 俺もチョコボールを買わなくていいよ!」

冗談ではない。マジで叫んでいる。

俺ひとりではできません。
地球温暖化はみんなが協力しないと止まらないんだよ。

笑いをこらえながら必死で説明した。


今、途中まで読んでいる新書が面白い。
『ロマンポルノと実録やくざ映画』樋口尚文著(平凡社新書)。

その題名どおり、
70年代のわんさかと撮られた日本映画の中で、
特殊な光を放つ作品をどんどんどんどん紹介しているのだが、
とにかく読んでいると
その映画の数々を無性に観たくなってくる。

構成もわかりやすく、文章もうまいのだが、
そのうまさは映画への本物の愛情があるからこそ。
すげえ説得力があるのだ。

さて。
温暖化ストップとチョコボールは関係ない、
そうなんとか説得したのだが、まだ長男はあきらめていない。

彼が最後に出した交換条件は、

「とうちゃんが5番目にこの階段を登るんだったら、
 チョコボールは買わなくてもいいよ」

というちょっと不思議な提案。

5番目?
先に階段を上がっていったかあちゃんが1番目、
次男が2番目、
んで長男が上がれば3番目、
となると、誰か4番目が上がっていかないと
5番目の俺は登れないことになる。

まあいいや。
それでいいよ。俺は5番目に上がるから。

とっとっと。
交渉成立、納得した長男が階段を登っていく。

しばらく階段の下でじっと待ってたら上から声が聞こえた。

「今、4番目の人が登ってきたから…
 マルにバツで点々の子が通ったから、
 とうちゃん、上がってきていいよ」

最近読んだ絵本に出てきた
透明人間のような男の子が通って行ったらしい。
サンキュー透明人間!


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