『無ケーカクの命中男』 [2009/11]
深夜、ケーブルテレビでやっていた映画を観た。
『無ケーカクの命中男』。
アメリカン“ハートフル”コメディー。
ナイトクラブで踊って酔っ払って、
気があった男と盛り上がってやっちゃったら妊娠しちゃって、
そのお父さんになるべき相手は収入もなく
マリファナばっかり吸ってるろくでもない男なんだけど、
やさしいし、お母さんになるためにはやっぱり支えてほしいし、
女は子供を産むことを決意して、
愛し合ったり、けんかしたり、別れたりしながら泣いて笑って、
ついにその子供が産まれるまでの話。
男と女の本音が出てて面白いんで
ついつい最後まで観ちゃったんだけど、
妊娠女のお姉さん夫婦のやりとりが特に面白かった。
夫に対して“良きパパ”を求めながら、
同時に、自分を女として愛してくれる“男”を求める妻。
妻を“男”として愛するために自由が必要になって、
その結果、逆に妻と家から逃げたくなってしょうがない夫。
この姉夫婦の心情というか、欲望がとてもリアル。
この姉夫婦には二人の娘がいて、
だから言ってみれば
主役の“ママ&パパ”になる男女の“先輩”にあたるわけだが、
こんな先輩たちだからこそアドバイスにウソがない。
ウソがなさ過ぎて迷惑だったりする。
というか、逆に悩みを相談したりする。
先輩と後輩の間に生まれるリアルな友情、
というのがこの映画の裏テーマに思えた。
自動車免許の教習所に通ってて、
意外なのは、
教官たちの指導の仕方が“思いのほか違う”ことだ。
ハンドル操作、アクセルとブレーキの踏み方、
心の持ちよう、などなど、教官によってかなり違いがある。
「信用できないな、こりゃ…」
下手したらそう思う人もいるかもしれないが、
俺は逆にこれは信用できていいなと思っている。
しゃべること、考えることがみんな違う、
人それぞれでバラバラなほうがリアルで信じられるのだ。
ハンドルを握っているときは半分パニくっているので
そんなことを考える余裕はまったくないが、
教習が終わって帰り支度をしているとそんなことを思う。
アメリカン・コメディーで俺が好きなのは、
主人公たちが必ず
一度は「みじめ」になること。
悲しい、憎い、ひどく落ち込む、怒りがおさまらない…
などの感情は、ドラマとしてはわかりやすいし
盛り上がったりするのだろうが、
人にとって切実なのはそんな激しい感情ではない。
「みじめさ」だと思うのだ。
「みじめ」な状態や心を表すのはわりと難しいし、
一見面白くないかもしれないけれど、
「みじめさ」を人生や心から除外して生きるようになったら
ウソだらけだ。
だからつって、
もうすぐ受ける仮免許試験に落ちて
「みじめ」になりたいわけじゃあないのだが。
『無ケーカクの命中男』。
アメリカン“ハートフル”コメディー。
ナイトクラブで踊って酔っ払って、
気があった男と盛り上がってやっちゃったら妊娠しちゃって、
そのお父さんになるべき相手は収入もなく
マリファナばっかり吸ってるろくでもない男なんだけど、
やさしいし、お母さんになるためにはやっぱり支えてほしいし、
女は子供を産むことを決意して、
愛し合ったり、けんかしたり、別れたりしながら泣いて笑って、
ついにその子供が産まれるまでの話。
男と女の本音が出てて面白いんで
ついつい最後まで観ちゃったんだけど、
妊娠女のお姉さん夫婦のやりとりが特に面白かった。
夫に対して“良きパパ”を求めながら、
同時に、自分を女として愛してくれる“男”を求める妻。
妻を“男”として愛するために自由が必要になって、
その結果、逆に妻と家から逃げたくなってしょうがない夫。
この姉夫婦の心情というか、欲望がとてもリアル。
この姉夫婦には二人の娘がいて、
だから言ってみれば
主役の“ママ&パパ”になる男女の“先輩”にあたるわけだが、
こんな先輩たちだからこそアドバイスにウソがない。
ウソがなさ過ぎて迷惑だったりする。
というか、逆に悩みを相談したりする。
先輩と後輩の間に生まれるリアルな友情、
というのがこの映画の裏テーマに思えた。
自動車免許の教習所に通ってて、
意外なのは、
教官たちの指導の仕方が“思いのほか違う”ことだ。
ハンドル操作、アクセルとブレーキの踏み方、
心の持ちよう、などなど、教官によってかなり違いがある。
「信用できないな、こりゃ…」
下手したらそう思う人もいるかもしれないが、
俺は逆にこれは信用できていいなと思っている。
しゃべること、考えることがみんな違う、
人それぞれでバラバラなほうがリアルで信じられるのだ。
ハンドルを握っているときは半分パニくっているので
そんなことを考える余裕はまったくないが、
教習が終わって帰り支度をしているとそんなことを思う。
アメリカン・コメディーで俺が好きなのは、
主人公たちが必ず
一度は「みじめ」になること。
悲しい、憎い、ひどく落ち込む、怒りがおさまらない…
などの感情は、ドラマとしてはわかりやすいし
盛り上がったりするのだろうが、
人にとって切実なのはそんな激しい感情ではない。
「みじめさ」だと思うのだ。
「みじめ」な状態や心を表すのはわりと難しいし、
一見面白くないかもしれないけれど、
「みじめさ」を人生や心から除外して生きるようになったら
ウソだらけだ。
だからつって、
もうすぐ受ける仮免許試験に落ちて
「みじめ」になりたいわけじゃあないのだが。
2009-11-26 23:11
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