SSブログ

江戸東京たてもの園 [2010/08]

小金井公園に隣接している
『江戸東京たてもの園』に初めて行った。
sento.jpg
江戸時代の農家とか、大正時代の洋式住居とか、
写真スタジオの家とか、建築家の家とか、政治家の豪邸とか、
それに、明治から昭和にかけての下町の商店街とかが並んでいる
ちょっとしたテーマパーク。

いろんなデザインの家の中をめぐっていると、
やっぱ家っていいなーと思う。
現実的には買おうとか建てようとか思わないのだが、
ぐるぐるあっちゃこっちゃ見ていると、
なんとなく自分の家というのが欲しい気分になる。

そういう自分に気がつく、と同時に、
別のことにも気がつく。

ああ、俺たち人間って、めんどくさいものが好きなんだなーと。

さまざまなつくりの家を内側から眺めていると、
これは便利だなーという部分もあれば、
これはちょっと暮らすの大変かもなーという部分もある。

いろりとか。
吊る下がったシャンデリアとか。
でっかすぎる窓とか。

で、たいていの場合、そういう大変そうな部分こそが
面白くて楽しくて美しい。
住んでみたくなる。

毎日毎日、起きてメシ食って働いて遊んで寝ていると、
自然、疲れてきて、便利さや快適さや合理性をいつのまにか求める…
のだが、その一方で、
全然便利じゃないもの、
個性的なもの、扱いづらいもの、めんどうくさいものを
実はとっても欲している。

いや欲する相手は、モノだけじゃない。
人間もだ。

他人の夫婦とかカップルを見ていると、
よくもあんなメンドーくさい相手といっしょにいられるなあと
あきれたり、不思議に思ったりする。

自分のことは棚に上げて。


帰りに出口横の土産屋&カフェに寄ったら、
友達が働いていた。

「お店に置いてあったの。よくわかんないけど」
と笑いながら、死んだオニヤンマを一つ、子供たちにくれた。

『たてもの園』を出た直後、
そのオニヤンマの死骸を、長男が草むらに置いていた。

家に持って帰らなくていいんか?

「いいのいいの」

ガキのくせにかなりコレクターな長男が今日は珍しいな、
と思ってたら、
すうっと一匹、赤トンボが俺たちの間をすり抜けて飛んでいった。
飛んでいったほうに、
赤トンボが群れになっている。

「あのトンボ、さっきの死んだトンボだね」

前を走っていた次男が振り返って言う。

いや、違うよ。
と言おうと思ったが、めんどうくさいので、
そうかもなーと言っておいた。

振り返ると、長男がそのやりとりを聞いていて、
なんとなく笑っていた。




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。