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安全地帯コンサート [2010/10]

夜、走っているバスを見るのが好きだ。
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小田急バスとか京王バスとか関東バスとかの
いわゆる路線バス。
駅前や商店街を抜け、
ちょっと暗い道を走っているバスを見ていると、
なんだか胸がざわざわしてくる。

<安全地帯>のコンサートを観た。
日本武道館。
青田典子がステージに上がるかも…
とか思っていたが、そんなことはなく、普通に面白かった。
また機会があれば観に行きたいとさえ思った。

なにがよかったかって、
玉置浩二の圧倒的なカリスマ性の無さ。
ホント、いい意味で。

有名なロックスターのコンサートを観に行くと、
そのスターが持つカリスマ性が前面に押し出され、
興奮と熱狂の渦に観客を巻き込んでいき、
どどどどどどどーと盛り上がっていく、
というのが、ある種定番だと思う。
そういうコンサートをいくつも観てきたし。

玉置浩二もそういうカリスマ的な存在になってて当然の立場だし、
いや、カリスマ的に見ている人も
昨晩の武道館にはたくさんいたんだろうけれど、
俺には全然そうでない人に感じられた。
会って話したりしたわけではないのだが。

ひとことで言ってしまえば、子供。
中学2年生から高校2年生くらいの。

この武道館のコンサート自体もそうだったが、
すごくシンプルな人なんだなーと感じた。
シンプルで、純粋で、ストレート、
そのぶん、繊細でおセンチで傷つきやすくって。

歌もそうだけど、センチメンタルでドラマチックな性格と人生。
それなのにカリスマ性が無く、
視線の先にあるのは、身近な友だちや仲間、
あとは出会ってしまった女性たちだけ、
なもんだから、
女の人のいわゆる母性本能を
ぎゅぎゅぎゅぎゅーっとわしづかみにするのも当然だと思った。

で、そういう男をどちらかというと好きなんだろうな、俺、
とも思った。

夜の路線バスを見るのが好きな理由は、
たぶん、夜の道で、車内が明るいのがバスだけだから。
普通のクルマやトラック、タクシーなんかは
ほら、車内が暗いでしょ。

宮崎駿の映画『となりのトトロ』なんかでも
効果的に描かれていたと思うんだけど、
薄暗闇の中で、発光している人間とかお化けとかの
“顔の群れ”を見ることって、
すごく胸をざわめかせるんだと思う。

ボーっとしていたり、疲れていたり、音楽を聴いていたり、
なんてことない顔なんだけれど、
見てはいけないような気にもさせる素顔というか。

ちょっと失ってしまった郷愁もオマケについてきて、
なんだか、禁断に触れたような感じで、
甘酸っぱい気分で胸がざわざわするのだ。

ふだん、人には見せない“素顔”を、
歌を歌う時には思い切って見せてしまう、
それが玉置浩二という人と
玉置浩二が歌う歌の魅力なのだと思う。

歌があれば勇気が出るのだろう。

この先しばらく、
自転車で夜道を走っているときなんかに
バスの中のお客さんと目が会ったりしたら、
<安全地帯>の歌や玉置浩二の『田園』なんかが
自然に口から出てしまうんだろうな、きっと。


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