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チャンピオンベルト [2011/10]

小姫ちゃんのお父さん、
shanhaibill.jpg
西岡さんとラファエル・マルケスの試合を
この前の10月2日、WOWOWで観た。

ボクシング界最高峰の舞台、
アメリカはラスベガスでの防衛戦……
日本人最年長防衛記録……
などなど派手な肩書きのついた試合だったが、
そんな肩書きが無用なほど、
素晴らしい試合だった。

序盤、マルケスの左ジャブがねじ込まれてきて、
チャンピオンはペースを握れなかったが、
中盤以降、逆に、左を顔やボディに叩き込んで、
徐々にマルケスをボクシングできなくさせていった。

最終12ラウンド、
突進していくチャンピオンを見ながら
「すげえ、すげえよ」
と俺はぶつぶつとうなっていた。

相手に殴らせないようにしながら、相手を殴る。

当たり前でシンプルなことなのだが、
そのことだけに集中している感じに感動した。

タイトルを守ったことに拍手を贈る、
あるいは勝利に歓声を上げる試合--
というよりは、
ずっしりと胸の奥に何かが残る試合だった。


今日、
近所のスーパーに買い物に行くとき、
その小姫ちゃんのお父さんに会った。

テレビで試合を観たと話していたら、
たまたま持っているから…と、
バッグからチャンピオンベルトを取り出して
俺に持たせてくれた。

こんな道端で、いいの!?

ドキドキしながらベルトを持った。
モハメド・アリの顔のプレートが張ってあった。

ただ、感激はしたが、
なんだか、持っている実感はなかった。

当たり前。
俺はチャンピオンじゃないんだから。

このベルトを持って、
チャンピオンの実感が湧くのは、
目の前にいる男だけなのだ。

左手の拳に厚い包帯を巻き、
まだ傷が残っている顔で人懐こい笑顔をしている
西岡さんだけが、
このベルトに実感を持つのだ。

俺にとってのチャンピオンベルトって
いったいなんだろう……
そう思いながら、
小姫ちゃんのお父さんに手を振った。




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