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『悲しい色やねん』 [2011/12]

俺が生まれて初めて取材した相手は、
tonoma.jpg
森田芳光監督だった。

取材、と言っても、
ライターとしてではなく、カメラマンとして。
まだ大学5年生だった頃の話。

編集プロダクションに勤めていた友人が、
森田芳光監督に取材することになったので、
俺が森田芳光好きであることを思い出して、

「なんだったらカメラマンとしていっしょに来ない?」

と誘ってくれたのだ。

もちろん、俺はカメラマンとしても
完全なドシロウトだったのだが、
バストアップの一枚、
小さく載せる写真を撮るだけなので
ま、なんとかなるか、と
いっしょに連れて行ってもらった。

調布の日活撮影所。
映画『悲しい色やねん』の撮影中だった。

その時間はラッシュを見る日だとかで、
わりと余裕がある日だったらしい。

森田監督は、
それまでさまざまなところで見ていた顔とおんなじ、
とってもリラックスした表情で
食堂にやってきた。

クルマ雑誌に載せるインタビュー。
新作映画の話と、
クルマの話を20分くらいしてもらっていた。

ドライブは好きだね、
高速道路でシャーディーをかけながら運転したりね。

というようなことを喋ってもらった瞬間、

「シャーディーってなに?」

と思わずリアクションしてしまったことを思い出す。

その後、シャーディーを聴くこともなく、
映画『悲しい色やねん』も観ることもなく
20年以上の時が経っている。

年末年始、
ヒマを見つけて
『それから』とか『ときめきに死す』あたりを観てみようかな。

あとは『家族ゲーム』か。

由紀さおりのお母さんが素晴らしかった。

ラストシーン、
ヘリコプターの音が上空で鳴っている。

物語の途中に出していたクイズ、

Q.マンションから棺桶をどうやって運び出すのか?

の解答だろう。

そういう観客に対する独特の優しさが
俺は好きだったのだなと思う。



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