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ミニ・ワン [2012/10]

大阪を西に行って、
淀川を渡ったところに十三という街がある。
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じゅうそう。

ここで買って食べたタコ焼きがうまかった。

うまかっただけでなく、
初めて「ポン酢しょうゆ」味のタコ焼きを
食べたのがこの街だった。

ポン酢味、最初、
んー、なんか変かなあ……
と感じていたが、
食べていくうちに好きになった。

もう一皿は普通のソース味を買っていたが、
どーせなら
もう一皿もポン酢しょうゆにすればよかった、
などと話した覚えがある。


ミニというおしゃれなクルマがある。

イギリスで作っているイギリス車だが、
親会社はドイツのBMW。

そのミニの中で、
有名なのが「ミニ・クーパー」。

「ミニ・ワン」はミニ・クーパーより価格が安く、
エンジンなんかもパワーが少ないらしい。

まあ、それでも外観はあまり変わらず、
カワイく、カッコよく、
スタイリッシュな気分で乗れるクルマ。

このクルマが、
十三のタコ焼きと似ている。


大阪・十三のタコ焼きと
イギリスおしゃれ車のミニを似ているなどと言うと、
ミニの輸入代理店の人に怒られそうだが、
オレにとっては共通点が多い。

小さすぎず大きすぎず
ピシッと決まったジャストなサイズ。

外側はカリッとしているが、
乗って運転してみると
内側はとろりとリラックス。

ポン酢しょうゆにダシしょうゆ、
そして、ネギやマヨネーズをトッピングするかごとく、
自由に楽しく選べるボディーカラー。

そして何より、
信号待ちから発進する時が似ている。


ミニ・ワンの出足は遅い。
強くアクセルを踏めば隣りのクルマについていけるのだが、
そうするとクルマの苦しさが
パワーの無さが浮き彫りになってしまう。

そんな野暮なところは見せられない。

で、思うのだ、
少しぐらい横のクルマより遅れたって
全然かまわないじゃないかって。

逆に、
横目でちらりと隣りに視線を送り、
余裕の表情を作り、
わざとゆっくり走らせているかのごとく振舞う。

「ふふん、
 どうぞお先に行ってらっしゃい~」

これがミニ・ワンを走らせている時、
信号待ちのたびに繰り返している顔つきなのだが……

タコ焼きを頬張った時に
ものすごく熱くて、
もう口から出してしまいたくなるけれど、
じっとガマン、
別に熱くなんかないよー、
と、誰が見てるわけでもないのに、
余裕のよっちゃん、
奇妙な微笑みを装って食べることがある。

えっ、ない?

オレにはよくある。
しょっちゅうある。

そして、軽く口笛を吹くような気持ちで、
次のタコ焼きを頬張っていくのだ。


田舎のワインディングロードを走らせていると
ものすごく気分がいいミニ・ワン。

乗っている自分の姿を楽しむクルマ。

もしも、
信号スタートの時に出遅れていて、
でも、
すました顔して運転している人を見たならば、

ああ、あの人は
口の中にタコ焼きを頬張っているのだな……
と、思って、
心の中で笑いながら抜いて行ってくださいませ。





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