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トヨタ・ヴィッツと日産・マーチ [2013/02]

矢野顕子の忌野清志郎トリビュートアルバムを聴いた。
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聴いてるうちに、
子供の秘密基地で、聴きたくなった。

井の頭公園の西園、
グランドの端っこ、
植木の茂み、大きめの椿の木の下に
うちの息子たちとその友達の
“秘密基地”がある。

狭ーいスキマの真中に
小さなビニールシートを敷き、
その周りにいくつかの石を
椅子代わりに置いている。
棒っきれやサッカーボールも転がっている。

ジャンパーまで敷物にして、
雑誌を読んだり、
仮面ライダーのおもちゃで遊んだり、
何かのごっこ遊びをしたりして
くつろいでいるらしい。

招いてもらった時、
隅っこに座ろうとしたら、

「そこはトイレだよ」

と、たしなめられた。

うひゃあ! と、あわてて移動する。


RCサクセションの歌は俺にとって、
学校の屋上やら、
川原の土手やらで聴きたい歌で、
チャリンコの鼻歌にもちょうどいい感じの歌。

昔の仲間と歌うイメージもある。

一方、
矢野顕子のカバーアルバム、
『矢野顕子、忌野清志郎を歌う』は、
どっか、
あんまり人の来ないところで
密かに聴きたい歌たちだった。

例えば、
子供たちの“秘密基地”に勝手に入って、
樹の間からのぞき見える
青空をながめながら、とか。


トヨタのヴィッツと日産のマーチ。

日本を代表するふたつの自動車メーカーが作った
代表的なコンパクトカー。

大きさも、
値段も、
パワーもハンドリングも、
燃費なんかもほとんど同じ感じだろう。

でも、
この二つのクルマは俺にとってかなり違う。
運転していて、まるで別のクルマだった。

それがうまく説明できなくて、
ちょっとしたジレンマを抱えていたのだが、
矢野顕子の歌を聴いていてわかった。

ヴィッツを運転しながら矢野顕子の歌は聴かない。

でも、
マーチを運転しながらなら矢野顕子の歌は聴きたいのだ。

運転している時、
心の視線が、
ヴィッツの場合は外側を向いていて、
マーチの場合は自分自身に向いているのだろう。


高速道路で渋滞している時、
隣りの車線にヴィッツがゆっくり走っていたことがある。

「わ」ナンバー、レンタカーだ。

OLさんたちだろうか、
25歳前後の女子が5人乗っている。

楽しそうにみんなで歌を歌っている。
というか、叫んでいる。

狭い車内に5人、
そんなに大声で歌ってたらうるさいだろうなあと、
横を見ながら、くすくす笑った覚えがある。

あれは、誰の歌を歌ってたんだろう?


子供たちの“秘密基地”、
椿の木に登った次男に向かって
長男がつぶやいていた。

「ここで暮らしたいなあ」

オモチャを持ち寄り、
漫画を持ち寄り、
パンなんかも買ってきて、
歌も歌ったりするのだろう。

いつか、
ヤツらがその秘密基地に音楽を持ち込んだ時、
どんな歌を聴き、
どんな歌を歌うのかな。



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