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『クロッシング』 [2013/04]

映画『クロッシング』をDVDで観た。
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ブルックリンで働く三人の警察官の物語。

一人は、マフィアに入り込んでる潜入捜査官。

一人は、新しい家を熱望している麻薬捜査官。

一人は、定年間近の巡査。

このそれぞれが、
ギリギリの状況に生きている。

黒人の潜入捜査官は、
マフィアのボスを裏切るのがつらくなっている。

スパニッシュの麻薬捜査官は、
ガサ入れ現場にわんさとある金が欲しくてたまらない。

白人で定年間近の巡査は、
危険なことを避けている自分の人生に絶望している。

正義とは?
善悪とは?

という、ま、警察モノに大前提の価値観が
この三人の中で揺らぎまくるのだが、
結局、
人にとって“正義”というのは
自分の最も近いものを守ることに注ぐしかないのだ…
という事実が
この映画の物語を支配している。

それが、俺にはよかった。

この三人の物語を観ていたら、
ビールを飲みたくなっていた。

三点セットを食べながら。


三点セット、ってのはホントに魅力的だ。

吉祥寺の中華ラーメン店、
『珍来亭』のつまみ三点セットは、
チャーシュー、メンマ、味付けゆで卵。

よく行くスペインバルには、
ピンチョス盛り合わせというメニューがあるのだが、
それも三種類。

府中競馬場近くの呑み屋ではいつも、
煮込みにコロッケ、枝豆!
というのがお決まりのコースだった。

映画『クロッシング』では、
三人の警察官が、
ラスト、同じ団地に集まってくる。

で、いっしょに事件を解決する…

みたいなドラマチックな展開を予想していると、
そんなことは全然なく、
近い場所にはいるものの、
それぞれに勝手な結末を迎える。

三点セットは、
三点セットであるものの、
決して三種類の食べ物を
一度に口に入れたりはしないものなのだ。

どれを最後の一口にしようか、
やはりメンマの一切れだろうか、
それともソースをかけすぎたコロッケのかけらでキメようか、
などと、
寂しくも愛おしく食べつくすのがいいのだと思う。


そういえば、
20歳過ぎの頃、
ブルックリンの安宿にしばらく住んでいたのだが、
その時には、
アメリカの薄口ビールを飲みながら、

安い牛肉のステーキと、
タコスチップスと、
瓶詰めのキュウリのピクルスを、

エンドレスに食べ続けていたような気がする。

映画に無理に照らし合わせれば、
三つの食べ物が、
三人の主人公なのかもしれない。

て、考えちゃうと、
キュウリのピクルスが
老いたリチャード・ギアのペニスに思えてきて、
なんかイヤな感じだけど、
いや、リチャード・ギアの白人老警官は
ホントに面白かった。



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