SSブログ

『桐島、部活やめるってよ』 [2013/09]

録画しておいた映画『桐島、部活やめるってよ』を観た。
ライオンの顔.jpg
観ていて、
この映画は二つの見方があるなーって思った。
特に男にとっては。

一つ目は、
出てくる高校生たちの誰かに自分を重ねて観る方法。
もう一つは、
出てくる高校生の誰かを応援しながら観る方法。

で、
俺の場合、今回はあとの方、
登場人物の誰かを応援しながら観るタイプだった。

誰を応援したいのか?
誰と友達になりたいのか?
誰と話をしたいのか?


男の登場人物は、

映画部のめがね君。
その友達の太っちょ君。
元野球部のなんでもできる君。
その友達のチャラオ君。
もう一人の友達のパーカー君。
野球部の先輩さん。
バレー部のゴリ君。
バレー部のリベロ補欠君。

女の登場人物は、

桐島のカノジョで容姿端麗な女王ちゃん。
その友達のギャルちゃん。
バトミントン部の美少女ちゃん。
その友達のシスコンちゃん。
吹奏楽部の部長ちゃん。
先輩が好きなフルートちゃん。

そんな感じ。

元自主映画青年だった俺としては、
映画部のめがね君は、
もうホント、
実際にそばにいたんじゃないかってくらい
リアルな友達な感じなんで、
自然に贔屓しながら観ていた。

屋上で映画を撮ったりしてるのを見ると、
思い出すことがいっぱいで、
映画を観ながらニヤニヤしていたと思う。

吹奏楽部の部長も、
こりゃまた似てるやつが友達にいて、
今はもう47歳くらいなんだけど、
高校時代はさぞかしこんな感じだったんじゃないかと、
想像せずにはいられなかった。

ただ、
最後には、
一番応援したいのはその二人ではなく、
パーカー君になっていた。

パーカー君は、
バスケットボールが好きだ。
でも、帰宅部だ。
なんでかっていうと、
バスケットボールが下手なのだ。

いつもは三人でいる校舎の裏側。
ひとりになったシーンでも
彼はバスケットボールをだらだらとゴール向かって投げている。

投げているんだけど、
全然シュートが入らない。
何度やっても入らない。

コイツだなと思った。

べつに親友とかになるわけじゃない。

ただ、
くだらないことを延々と話したり、
ときどき酔っぱらってケンカしたり、
気が向いた時に温泉かなんかいっしょに行くのは、
たぶん彼だと思った。


秋田の北に能代というところがあって、
車を乗っているうちにたどり着いた。

何年か前、
義理の弟の結婚式に出席するため、
一度行ったことがある。

その後、
義理の弟は離婚したので、
もう縁がなくなった土地なのだが、
なんとなくたどり着いた。

夜、
居酒屋に行った。

ジュンサイ鍋とかを食べながら、
地元の日本酒を飲んでいるうちに閉店の時間になった。

そしたら、
「上がり酒、一杯どう?」
と、ご主人が酒瓶を持ってきてくれた。

一杯どころじゃなかった。

上がり酒だけで三四合飲んだと思う。

店が閉店したので、
隠れていた猫がのしのしとやってきて、
その様子を見ながら、
ご主人から注がれる酒をどんどん飲みながら、
いろいろと話をした。

お店のこと。
最近大変だったこと。
生まれ故郷。
猫の秘密。

とんでもなくうまい酒だった。


あのご主人も、
もし、『桐島、部活やめるってよ』を観たら、
誰を応援するのだろうか?

たぶん、登場人物全員を応援するのだろう。

だからこそ飲み屋やってんだもんな、
上がり酒を出してくるんだもんな、
と思う。

映画には出てこなかったが、
部活をやめた桐島君は、
あのご主人みたいな人なのかも、
とも思った。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

『あまちゃん』『犬、だれる』 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。