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『ゼロ・グラヴィティ』 [2014/10]

映画『ゼロ・グラヴィティ』をブルーレイで観た。
カート.jpg
たまたま、
この日は皆既月食の日だったのだが。


映画『ゼロ・グラヴィティ』は
自由になるために
いろんなものを脱いでいく映画だった。

宇宙遊泳しているときの宇宙服。

宇宙ステーション。

帰還するための宇宙船。

そんなものを脱いでいく
遭難科学者のサラ。

絶体絶命の大ピンチから生還しようとする時、
彼女は、
心にまとわりついて手放すことのできなかった
悲しき過去の記憶も
脱ぎ捨てる。

アニメ『アルプスの少女ハイジ』で、
フランクフルトからアルムの山に
やっと帰ってきたハイジが、
おじいさんのいる山小屋へ向かって
高原を駆け上りながら、
フランクフルトで着させられた
お嬢様ドレスを脱いでいくシーンが
なんとなく重なった。


この映画は、
映画を観る観客が持っている
不自由さをなんとか脱がそうとしている
映画でもあった。

ほとんどの観客が
宇宙空間に行ったことなんてない。

無重力状態を体験したことなんてない。

まあるい地球を見たことなんてない。

宇宙服を着たことだってない。

なので、
「所詮、作りもんだよね」
「CG、CG」
「ウソだから、フィクションだから」
「臨場感を感じろって言われてもちょい無理」
「映画なんてそんなもんでしょ」

なーんていうシールドで
心を守っているのが、ま、当たり前。

そのシールドを剥ぎ取るために、
観客に自由を持ってもらうために、
懸命に映画を作っている、
想像力をフルに発揮しているところが
すんばらしいなーと思った。


今年の皆既月食は
ゆっくり長いこと愉しめた。

空に軟式のテニスボールが浮かんでいた。

いつまでたっても
落ちてこないのが不思議だった。



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