SSブログ

田代島 猫旅日記 その2 [2015/04]

tashirojimazenkei.jpg

『田代島 猫旅日記』その2

一息ついたところで、島散策へ。

仁斗田で一つだけある商店の前、
若いお兄さんがカップ麺の蕎麦を
階段状の地べたに座って食べている。
その周りに群がっている猫。
15匹くらい。

上り坂を登っていく。
また、猫の集合場所がある。
8匹ぐらい。
見ているとその中の一匹が寄ってくる。
すると、
もう一匹が近づいてくる。
すると、
また別の一匹も近づいてくる。
daburuneko.jpg

こういう猫のたまり場所が
この田代島にはいくつかあるのだが、
同じようなことがどこでも起きる。
好奇心が強いのか、
人間が好きなのか、
食べ物が欲しいのか、
とりあえず一匹が近寄ってくると
他の猫もなんとなく近づいてくる。

そして、
その場を去っていくと、
一匹か二匹がしばらく後をついてくる。
振り返ると、猫がいる。
だるまさんがころんだ、みたいな。

また、
ひとつのたまり場の猫たちは
なんとなく目つきが似ている。

シマ猫、ブチ猫、黒猫、茶色猫、灰色猫、
短毛なの、モサモサなの……
色や柄や毛の長さは違っても、
同じ一族な感じがする。
いろいろなパターンで血がつながっているのだろう。


上り坂をもっと登っていって、
大泊集落方面へ降りるちょっと手前、
田代島名所のひとつ、
『猫神社』にお参り。

nekojinja.jpg

ふと見ると、
ベンチの上で寝ている大きめの猫。
顔が丸く太ったシマ猫。
おっさんぽい。

横に座ってなでていたら、
母娘がやったきたので、
こんにちはーと挨拶したら、
その中学生くらいの娘が
感激丸出しの声で叫んだ。

「ネコ太郎!」

聞けば、
このおっさんぽい猫のネコ太郎、
けっこう有名な猫らしい。
ネコ太郎ブログもあるんですよと
お母さんのほうが教えてくれた。

nekotaro.jpg

民宿にいったん戻って、
道具を持って、釣りをするため堤防へ。

魚影が薄い。
というか、まるでいない感じ。
まあ、釣れなくてもいいやと
青イソメを針につけて糸を垂らす。

ajisimanoturi.jpg

やっぱりアタリがないなあと思いながら
ふと横を見ると、
猫がいる。
遠めから近づいてる最中の猫も数匹。

仁斗田港周辺の一族には、
顔が丸く大きいタイプが多い。
脚が短めなのは、
仁斗田集落の猫全般の特徴。

魚、こないねえ、
まだ眠ってるのかなあ……
などと猫に話しかけたりしながら
数か所で糸を垂らしてみたが、
釣れる気配がない。
風が冷たくなってきたので竿をしまい、
民宿へ戻ると、また
「おかあさん」とその仲間が迎えてくれた。


夕飯まで少し時間があったので、
『マンガアイランド』という場所にも行ってみる。

ネコ型のロッジがいくつか建ったキャンプ地。
シーズンオフで今は閉まっているが、
猫は10匹くらいたまっている。

nekoisland.jpg

左目が病気で潰れかかったシマ猫と
右目がない茶色モサ猫が、
追いかけっこをしながら、
コンビで後ろをついてくる。

茶色モサのほうは妊娠しているのだが、
時折、すごい勢いでジャンプしたり
いきなり走り出したりするので、
いっしょに歩いているこっちが不安になる。
何の心配もいらないのだが。

nekoislandcupple.jpg

アワビとナマコ。
大好物。
俺にとって最高のご馳走が入った夕飯をいただき、
風呂で温まってから、
布団に入る。

絵本の代わりに、
民宿に置いてある写真集を子供たちに読んでやる。
田代島の猫の写真集。

すると、
俺たちが「おかあさん」と呼んでいるシマ猫は、
この民宿のお父さんが飼っている
「ちゃめ子」という名の猫だとわかった。

小柄で、じゃれついてくるから
若い母猫かなあと思っていたら、
けっこうなベテラン母猫であることもわかった。

電気を消して、目をつぶる。

ヒュー、ぎしっ。

窓が揺れる音を聞いて、
風が強くなってきたなあと思いながら
眠りについた。

        →その3へ続く
        →その1に戻る


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。