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浦沢直樹展 [2016/02]

芦花公園近く、
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世田谷文学館に
『浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる』を観に行った。


平日のわりに結構人がいる。
観ている人たちの顔は
わりとみんな真剣な感じだった。

『YAWARA!』に『Happy!』、
『MASTERキートン』『MONSTER』、
『20世紀少年』『PLUTO』、
『ビリーバット』などなど、
展示場中に
バババババ―ッと貼られた
原稿の中にいると、
浦沢漫画の登場人物になるような感じがする。

観てて思った。

浦沢さんは原稿用紙の紙の中に
なんでも取り込むんだなって。

じいちゃんもいれば、男の子もいる。
意地悪な美女がいれば、可愛いブスもいる。
コンサートがあれば、ラジオ番組もある。
過去もあれば、未来もある。
絶望の涙があれば、希望の涙もある。
アニメの動きがあれば、映画の名場面もある。

それらは単なる物語のシーンとして
取り込んでいるのではなく、
世界にあるものそのものをまるごと取り込んでやろう、
白い原稿用紙の中に叩き込んでやろう
と計画して描いているような気がした。

「漫画の可能性は無限大」

貼られた原稿がそう言っているようだった。

もう一つ、いいなあと思ったのは
取り込んだものを閉じ込めていないこと。

閉じ込めていないで
原稿用紙から外に飛び出していく感じがするんで、
囲まれているとなんだか、
自分も力がついたように錯覚できる。
自分の可能性も無限大だと思えてくる。

元は、一枚の白い紙なのにね。

浦沢さんが子供の頃描いた
落書コーナーも楽しかった。
岩田鉄五郎や上杉鉄兵がいた。


『浦沢直樹展』は特別展示だが、
一階でやってるコレクション展もよかった。
昭和20年、
戦後を迎えた日本で文学者たちが
何を考え、何と書いたり作ったりしようと
していたのかがわかる展示。

三島由紀夫、海野十三、坂口安吾、
佐藤愛子、黒澤明、成瀬巳喜男、
北杜夫、斉藤茂吉。

生原稿に書簡、色紙やカチンコなど。

入り口に置いてある
カラクリ箱細工自動紙芝居も
動かしてもらって楽しかった。
『ムットーニのからくり劇場』
という展示。

浦沢直樹展とは別の展示なのだが、
自分の世界と読者観客の世界を
一生懸命つなげていこうとする気持ちが
どこか同じように感じた。


あともう一つ、
これはあまりオススメしてはいけないのだが、
この世田谷文学館、
クルマの駐車場がある。

電車などの公共交通機関で行くことを
たぶん推奨していると思うんだが、
ウルトラホークに乗っている気分になるので、
一度は使ってみることをこっそりオススメ。

異世界に突入していく感じ、

これもこの世田谷文学館の隠れた魅力。


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