SSブログ

兄妹ビンゴ! [2008/06]

ここ一年、テレビのクイズ番組が大人気である。

これを「日本人の知的好奇心の増大」だととらえている意見を
編集者とかから時々耳にするが、んなわけねーだろ、と思う。

ただ単純に、誰かと同時体験する楽しさにひきつけられているだけなのだ。
しかも芸能人と一緒になるという、ミーハー気分付きで。

さっきコンビニの前に小学校低学年くらいの兄妹がいて、
妹のほうが小さなガムみたいなものの包みを開けて、
「やった!あたり!」
と最高の笑顔で、コンビニに舞い戻っていった。

それを見て、兄がボクもボクもと、うれしそうにあわててガムみたいなものを開いていた。

今朝、小さなクワガタが家に飛び込んできたのと同じくらい嬉しい目撃。

テレビでもクイズでもミーハーでもいいじゃん。
この楽しさ、同時体験の愉快さが、
身近に感じられなくなったら、ホントに悲しいでしょ。
200806111640000.jpg

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:moblog

『さらば友よ』 [2008/06]

2008年6月4日水曜日。
今日あたりのニュース。米国大統領選挙民主党予備選でオバマ氏が勝利。
クリントン氏は副大統領候補になるのか?

sarabatomoyo.jpg
イエー。
1968年の映画『さらば友よ』を久しぶりに見た。
月曜日、テレ東の昼の映画コーナーでやっていたのをDVDに撮っておいたやつ。
子供の頃、「ゴールデン洋画劇場」とかで何度も見た映画。
アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソン共演の男がしびれる友情映画。
グラスにコインを入れるブロンソンの真似をして、親に叱られた記憶がある。
名場面のラストシーンも、シガレット・チョコレートで真似してたっけ。
イエー。

7月に休刊する漫画誌、ヤングサンデーでやってる
『土竜の唄』という漫画を連載開始から手伝わせてもらっている。
仕事の内容は、
漫画家の高橋のぼる氏がネーム(下描きの下書き)を作っていくのを目の前にして、
編集担当といっしょに「あーだこーだ」と口を出す作業。
「あーだこーだ」と言うのに応えるように、
漫画家が驚くようなネームを描いていくのを見て、ときどき
「すげえ…」と生唾を飲んでいる。
天才ってのはいるんだなーとも思ったりする。
漫画の作り方としては異例なのだが、
このやり方が『土竜の唄』の先の読めない展開の一端を担っている。
と思う。

この仕事での裏の仕事というか、直接の仕事ではない感じの仕事に、
「情報の共有化」というものがある。
簡単に言えば「同じ映画を見る」とか「同じ本を読む」とか「同じテレビを見る」とか。

「『ドカベン』で、山田が空手家のおやじに殴られる場面あったじゃん」

「キムタクのドラマ見た? 『CHANGE』だっけ、なんだあれ?」

「オバマとクリントンねー、でも結局マケインが大統領になるんじゃないの」

例えば映画だったら、同じ感想を持たなくてもいいし、
賛否が180度分かれてもいいし、
結局見なかったりしても別にいいんだけど、
この茶飲み話的な「情報の共有化」が、
漫画家が行う<イメージの具体化>をこっそり手伝っているのだと思う。

野球はキャッチボールが基本、
サッカーはアイコンタクトが重要、
なーんていうのは単に技術的な話だけではないのだ。

その高橋氏の言葉に
「いっしょに銀行強盗できるか? が、いっしょに仕事できるかの判断基準」
つーのがあって、それが漫画の中でも使われたりしているのだが、
その言葉が生まれた原因のひとつに
映画の『さらば友よ』があるんじゃないかと思う。
『さらば友よ』は銀行強盗をする物語じゃないんだけど。

「いやー、久しぶりに見たんだけど、『さらば友よ』、カッコよかったよ、また見てみてよー」
今日の打ち合わせで漫画家にそう言った。
「まだ見てない? じゃあ見てみて」
世代がちょっと違う30代の編集者にそう言った。

とっても些細で、どうでもいいことのように感じてしまいがちだが、
そう言えるというのは確かにしあわせなのだと思う。
男にとって。
イエー。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。