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宝塚記念 [2012/06]

松坂大輔が泣いていた。
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復帰3戦目のマイアミ・マーリンズ戦、
6回表、ホームランを打たれて
マウンドを降りていく。

5回裏、
ついにというか、やっとというか、
レッドソックスは3対3に追いついた。
その直後のピッチング、
ここは絶対に点を与えてはならない……
そんな気持ちがテレビを通しても伝わってきた。

メジャーに入った頃のような明るさ、
笑顔は全くない。
悲壮感に近いものを顔に浮かべて投げた
スライダーが、
真ん中近くに曲がっていった。

よっぽど悔しくて、
なんだかもう自分自身が情けないんだろう。
帽子のツバを抑えて、
鼻をすすりあげ、
口をへの字に曲げて、
涙を見せないようにベンチへ向かっていった。


明日は宝塚記念。

競馬は、
サラブレッド自身の血統や走り方、競走成績にも
自分を重ね合わせたりして感情移入できるギャンブルだが、
その一方で、
普通に関係者たち、
その馬に関わる人間たちにも感情移入できるスポーツでもある。

多くの人を熱狂させるような
スターホース物語、ライバル対決を見出せないでいる
日本の競馬界。

こんな時は逆に、
サラブレッドに関係する人間たちに
スポットライトを当てて、
より深く面白く、
そして、自由に競馬を楽しむチャンスだと思っている。

騎手、
調教師、
厩務員、
生産者、
馬主--

さまざまな競馬関係者の中で、
明日の宝塚記念は
一人の調教助手に注目している。

元ジョッキーの西原玲奈助手だ。

彼女が騎手としてデビューした頃、
アイドルユニットのSPEEDが大人気で、
パドックで西原玲奈騎手を見た時に、

「SPEEDのヒロに似てるなあ」

と、つぶやいたら、
いっしょに競馬に通っていたSPEEDファンの友人に

「似てないよ!」

と、怒られたことがある。

その西原は、
2010年に騎手を引退、
現在は調教助手として梅田智之厩舎で働いている。

ジョッキーとして馬にまたがって
パドックを回っていた頃と同様、
背筋をシュッと伸ばして馬を歩かせている姿が
颯爽とテレビに映し出されていた。

そして、今年の宝塚記念に
ショウナンマイティを送り出す。

どんな気持ちでレースを見守るのだろう。

もしも勝利したらどんな顔をするのだろう。

レースの後に発する最初の一言はなんだろう。

がんばれ、ショウナンマイティ。
頼んだぜ、浜中ジョッキー。


松坂大輔が復帰初勝利をあげた時、
胸に浮かぶ顔は誰だろう。

元気な柴犬のように愛嬌がある
あの笑顔が早く見たい。



安田記念 [2012/06]

今日は安田記念。
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ガルボとシルポート、
この二頭の関係が気になっている。


金曜日の夜、
大学の先輩たちに久しぶりに会った。

何かと無茶を言っては後輩をいじめていた先輩。

ニューヨークで待ち合わせした先輩。

音楽好きで歌が異常にうまい先輩。

ニョロニョロしていて後輩からも笑われていた先輩。

20年ぶりくらいに話をした。

齢をとってはいたが、
しゃべると学生時代とおんなじ感じ、
基本的には変わっていなかった。

人間性とか、
それに、
俺たち後輩との関係性とか。


今日の安田記念には“先輩後輩”がいる。

西園厩舎からは
シルポート7歳、
コスモセンサー5歳、
サダムパテック4歳。

堀厩舎からは
ストロングリターン6歳、
リアルインパクト4歳。

彼らは同厩の先輩後輩と言えるだろう。

昨年の安田記念優勝馬、
リアルインパクトが去年勝てたのは、
もしかしたら
先輩のストロングリターンが
いっしょに走っていたからかもしれない。

先輩が大好きなタイプで。


厩舎を超えて、
馬たちの関係性を見ていくと、
ガルボ5歳には
どうも嫌いな先輩がいるらしい。

シルポート7歳。

今まで、シルポートが出走したレース、
一度も、
後輩のガルボが
先輩シルポートに先着したことはないし、
どころか、
掲示板にすら載ったことがない。

苦手なのだろう。

顔を見たとたん、萎縮してしまうというか。


ただ、ガルボよ、
いつまでも
先輩の言うことばかり聞いてちゃダメだろう。

シルポートだって、
可愛い後輩が踏ん張って、
打ち負かそうと競りかけてきてくるのを
待ってるかもしれないじゃないか。

まあ、
そう簡単に関係が逆転したりしないってことは、
金曜日の夜にも感じたのだが。


ちなみに、
ガルボは
イタリア語で「礼儀正しさ、優しさ」
という意味らしい。

ふむー。


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