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『サン・ジャックへの道』 [2012/04]

人生の転機、というほどじゃないんだけど、
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その後の生きる喜びの
“方向性”を決めてくれる出会いというのがある。

俺の場合、
その多くはお店だ。
飲食店。

ラーメン店だったり、
寿司屋だったり、
イタリアンレストランだったり。

吉祥寺に『キツネの卵』という店があった。

軽いフレンチのレストラン。

もう今は閉店してしまったのだが、
“ワインを試す日常”
という旅へ導いてくれたのはその店だった。

店へ座ると、
とりあえず、今日は2本かなーとか言う。

ワインマニアのマスターが
料理の手を止めて、
それこそ食事が出てくるのを待っているお客がいっぱいいて、
どう考えてもそんな場合じゃないだろって思うのに、
料理そっちのけで棚を開けて、
最近仕入れたワインを並べて、
試飲した感想を教えていってくれる。

うれしそうに、ゆっくりと。


映画『サン・ジャックへの道』をDVDで観た。

遺産相続のため、
フランスからイベリア半島のはじっこまで、
巡礼の旅をする3兄弟と、
その同行者たちの物語。

ガイドのギイという人が、
リーダーとして案内してくれるのだが、
この人の顔が
『キツネの卵』のマスターに見えてしょうがなかった。

映画のテーマの一つは、

「人生というものは
 美しいものを楽しむために、
 愛するものに出会うために、
 自分が背負っている重いものを確認しながら
 一歩一歩進んでいくことなのだ」

というもの。

ワイン好きのマスターが
お客の目の前にワインを並べていき、
その味を説明している作業は、
『サン・ジャックへの道』を
歩んでいる人間たちと同じだろうなと思った。


今も元気で
ワインのコルクを開けているのだろうか?





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