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女子卓球 [2012/08]

昨晩、打ち合わせが終わって夜10時過ぎ、
oshimahikouki.jpg
中央線に乗っていたら
母子が前に座っていた。

小学校5年生くらいの男の子がうつらうつら。
隣りで日によく焼けたお母さんも軽く目を閉じている。

息子の足元に
切符らしきものが落ちている。

裏の黒い部分が見えているので
定かではないが。

ま、
もしも切符で、
うつらうつらしている息子のだったら困るだろうから、
電車を降りる時に
教えてあげようかなと思いながら様子を探っていた。

西荻窪の手前で、
母親が目を開け、息子を起こして訊ねた。

「切符持ってる?」

小さなバッグを開け、中を見ている息子、

「うん」

ぼやーっとしながらも
うなづいている。
バッグの中に切符が入っているらしい。

母親も安心したように前を向いた。

ああ、
足元に落ちている切符らしきものは
切符じゃないんだな、
と思った。

俺の杞憂だったのだな。

電車が西荻窪に着いて、
母子が席を立つ。

息子がふらーと立ち上がり、
その後に母親が立ち上がる。

母親が息子の足元をふと見る。

黒い紙切れに気づく。

腰をかがめて手に取る。

「ほら」

ぼやーっとしている息子に手渡す。

切符だ。

やはり、落ちていたのは息子の切符だったのだ。


今回のロンドンオリンピックでは、
なでしこJAPANより、
女子卓球を応援する気持ちのほうが強かった。
どっちかというと。

メダルを賭けた準決勝、
シンガポールとの試合を観ていて、
これはすごいなと思った。

戦略とか、作戦とか、
相手の出方の探り合いとか、
卓球は
頭の中が勝負のカギを握る感じがする
スポーツなのだが……

あの試合の福原愛とかのプレーを観ていたら、
もっとカラダというか、
魂というか、
日々の繰り返しで染み付いた“何か”が
勝利を呼び寄せたように思えた。

意識を超えた無意識の力みたいなものが。


中央線、
あの母親が息子の落とした切符に気づいたのは、
なんでもない普通のこと、
当たり前のことなのだが、
同時に奇跡でもあると思う。

息子はバッグに切符を持っている。

そう思っていても、息子の足元を見る。

そして、切符に気づく。

何百回、何千回と繰り返してきたことなのだろう。

日焼けしたお母さんよ、
そして、
女子卓球チームよ、
ステキな奇跡をありがとさんです。






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