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田代島 猫旅日記 その4 [2015/04]

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『田代島 猫旅日記』その4

クールにたむろってる大泊の美猫に
後ろも振り返らずサヨナラして、
来た道と違う道で仁斗田の集落に戻る。

ちょっと不安になって、
軽トラのおじさんと話をしている
箒を持ったおじさんに道を尋ねる。

こっち行くと、猫神社とか仁斗田の方ですか?

「んだね。まっすぐ行くと猫神社だ」

まっすぐですね?

「まっすぐと言っても、曲がってるところもあるから、
 そん時は道なりで」

はい!

「途中の脇道入ると、
 出てこられなくなって、
 一生そこで暮らすことになるから」

箒のおじさんの笑い声を聞きながら、
帰り道の坂を上っていく。


『猫神社』の横を通りすぎて、
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おいおいこんなところまで来てるのかと
「ネコ太郎」の行動範囲の広さに驚いて、

下り坂を歩いて、

民宿に一度戻って、

いつのまにか好きなタイプになった
白黒ブチ猫の頭をなでて、

他の猫もぼやーっとながめて、
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子供たちと荒れた海に向かって石を投げて、

お昼ご飯はカップ麺のうどんを食べて、

またいろんなところで猫をながめて、
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今度は荒れてない海に向かって石を投げて
子供たちと水切りの回数競争をして、
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「ちゃめ子」と同じ目つきの猫に出会って
その意外な血の広がりに感心して、

またぼんやり猫をながめて、
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田代島の一日が終わっていった。


二泊目の夕飯は
小さめのホヤを煮た料理がうまかった。
ずっと食べ続けていたい味だった。
試しに、
ウイスキーの水割りの缶を開けて
ホヤといっしょに味わってみたが、
かなりいける味だった。

世の中、
知らないことが多すぎるなと思った。
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前夜とは違う写真集、
でもやっぱり田代島の猫の写真集を
子供たちに読んでやって、
自分の布団に入って目を閉じる。

窓ガラスを叩く風の音がしない。

プロが笑顔で言っていた通りだった。

翌日、
『網地島ライン』は通常通り運航した。

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右足の親指をかばって歩いていたせいか、
今度は左足の甲が痛くなった次男と
船着場へ向かって
ゆっくり港の堤防を歩いていたら、
トムキャット柄の黒白猫がついてきた。

その後ろから、モサモサの茶色。

そして、その後ろから白黒の猫……。


石巻行きの船が来た。
船に乗り込む。
窓から堤防を見たら猫が三匹並んでいる。

お見送りしてくれてるのか。
いや、どっちかというと、
誰か降りてこないかと見に来たんだろう。


船が出ると同時に、
トムキャット猫が
もといた網置き場の方へと
歩いていく姿が見えた。


      『田代島 猫旅日記』おわり

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      →その1からまた読む?
      →その3に戻る
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