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『スピリッツ』 [2008/05]

2008年5月29日木曜日。
昨日のニュース。新宿歌舞伎町の<新宿コマ劇場>が年内で閉鎖。
学生の頃、まだ歌舞伎町がナンバーワン繁華街だった頃、
とりあえず、コマの前に待ち合わせしたりした。
閉鎖の前に、一度は観に行きたい。やっぱサブちゃんかなあ。

spirits.jpg
『週刊ビッグコミックスピリッツ』2008年6・9号 No.28 小学館 280円

同じ小学館の青年誌、ヤングサンデーの休刊話では、
スピリッツとの合体なのか、吸収されるのか、それとも関係ないのか!?
なーんてことが、まあ、ネットなどでも語られている今日この頃。
その真偽は別にして、スピリッツをとりあえず読んでみる。
送られてくるので毎週読んでるんだけど。

釈由美子が表紙を飾ってるから……
という理由ではないのだが、印象として思った。
「いやはや真面目な本だなあ」って。

いや、釈由美子ほど自分に厳しく真面目なわけじゃないと思うんだけど、
態度というか、面構えというか、外面というか、
「けっこう難しい内容なんだけど、がんばって描いてるんですよ」
という漫画家や編集者たちの自分メッセージが感じられるのだ。
だから、内容を楽しむ前に、登場人物に感情移入する以前に、
作者に共感しなきゃならない気分になる。

どちらかといえば、これは損だと思う。

一つには、漫画はヒマツブシで読む人のほうが多いから。

もう一つには、漫画家という仕事、あるいは
“何かを作るという仕事”に密かな憧れを持つ余裕が、
読者である日本人に減ってしまったから。

約20年前、漫画バブルでスピリッツがイケイケだった頃。
面白いものを描いている漫画家は、
自分たちの地続きにいた感じがした。
しかも、自分にはなかなか行けないステキな場所、珍奇な場所に
先走り汁出しながら走って行ってる
ちょっとしたヒーローのように思えていた。

だから読み手にも、出版社にも、漫画家自身の間にも、
新しいパワーを求めているムードが蔓延していた。
ちょっとくらいヘタッピでも、笑って許して楽しめていた。

だが、今はなかなか許してくれない。

「自分自身の個性を出すのはいいんだけれど、
 娯楽として完成度を上げてくれなくちゃなあ」

というような声が、普通にネット上で書かれる時代。

読者の漫画に対する要望が、
とっても狭いものになっている時代だから。
悪循環。
それに対応しようと、漫画自体も自由を失っていく。

吉田戦車の漫画や、『団地ともお』、
『アフロ田中』に『竹光侍』なんかが人気があるのは
その完成度の高さにあるんだな、
改めてそう思った。
あと『パギャル!』も、ある意味完成度が高い。
読者に何を楽しんでもらいたいか、
自分に何が描けるのか
ということが非常にハッキリしているという点でだけど。

なーんてことを分析しちゃってると、
ますますコマ劇場の公演が観たくなってきた。
歌って踊ってお芝居する最高のエンターテイナーに
やんややんやと拍手して、お弁当食べて。

『北島三郎特別公演
 国定忠治/北島三郎大いに唄う』
は9月2日から30日だそうです。


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